日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年3月22日上司の話す力を強化する3つのポイント


★上司の話す力はとても重要


先日、話し方教室の無料体験教室の参加者から次のような話を聞きました。

「今年になって職位があがり、部下に朝礼でスピーチする機会が増えました。しかし、自分は早口でとりとめなく話してしまうので、部下は私が話し終わってもポカーンとしているんです。何とかしたいと思って見学に来ました」

こうした話は、上司の立場にある受講生から頻繁に聞きます。

上司がわかりにくい話をすると、部下が効率的・効果的に仕事ができないので、会社にとっても損失を与えてしまいます。

そういう意味で、上司の考えていることや指示が、部下の人に誤解なく伝わることはとても大切なことです。

では、どうすればそのような話し方ができるのでしょうか。

その主なポイントを3つ、お伝えします。

 

 



★短い言葉で話す


ポイントの1つ目は、理解して欲しいことを短い言葉にして話すことです。

わかりにくい話をする人は、話ながら思いついたことを長々と話すという傾向があります。

そういう人は、次第に話があちこちに飛んでいきます。

結局、聞いている人は何が言いたかったのか全然理解できなかった、ということも珍しくありません。

こうしたことを避けるためには、伝えたいことを短いメッセージにして話すことが効果的です。

  • 今日は、安全運転を心がけて欲しい、という話をします

  • 今から人事制度の変更点について説明します。ポイントは、在宅勤務がしやすい制度になる、ということです


このようにどういう話をするかを最初に告げると、聞き手の理解は格段に進みます。

また、短い言葉は記憶に残りやすいので、上司の話を部下がその後も覚えている確率が高まります。

 

なお、短い言葉にする際に注意していただきたいことがあります。

それは、必ず主語と述語を含んだ文章にして、単に名詞を並べたものにしない、ということです。

  • 今日は安全運転について話します

  • 今から人事制度の変更点について説明します


この話し方では『安全運転について』何を話そうとしているのか、『人事制度』の何を変更するのかなどが曖昧なので、聞き手の記憶に残りにくいのです。

先に述べた例のように、『安全運転を心がけて欲しい』『在宅勤務がしやすい制度になる』のように、主語と述語を入れて話すようにしてください。

主張が明確になり、聞き手は格段に理解しやすくなります。


★エピソードや例話を入れて話す


2つ目のポイントは、エピソードや例話を入れて話すことです。

話に必要なことは、聞き手がその話に共感できることです。

人が共感しやすいのは何と言っても『ストーリー』がある話です。

そして、話にストーリー性を持たせるには、エピソードや例話を入れるのがとても効果的です。

 

例えば「安全運転を心がけて欲しい」という話をするのなら、次のような例を入れるとよいでしょう。

「運転手が左折する際、一瞬確認を怠ったために高校生の自転車を巻き込んでしまった。その高校生は一命は取り留めたものの意識が戻らない状態が何年も続いている。裁判所は運転手に1億7千万円の賠償命令を出した。一瞬の気の緩みがあなたや家族、被害者の一生を台無しにしてしまうこともある。だから、常に確認を怠らず、安全運転を心がけて欲しい」

このような例話を入れると、聞き手も自分事のように感じて、気を引き締めて運転しよう、と思うはずです。

 

★熱意を持って話す


そして3つ目に大切なことは、上司自身が熱意を持って話すことです。

朝礼で、冷めた様子で淡々と話す上司をよく見かけます。

話し手の気持ちは、話し方で聞き手にストレートに伝わってしまいます。

自分でもどうでもいいと思っている話は、その「どうでもいい」感が態度や音調に現れるのです。

部下に聞いてもらえる話がしたいのなら、まず上司が伝えたいことを明確にして、ぜひそれを理解してもらいたい、という熱意を持って話すことが必要なのです。

このことはとても重要なことですので、ぜひ意識していただきたいと思います。

 

以上の3点を意識すれば、今まで以上に説得力のある話をすることができますので、ぜひ実行してみてください。

 

★話し方を学びませんか?


日本話し方センターのベーシックコースでは、今回お伝えしたような人を納得させる話し方をスピーチ実習で繰り返しトレーニングします。

回を重ねるごとに説得力のある話し方に変わっていただけています。

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